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FACTORY
工業用 本縫いミシン
:一本の針で直線縫いをするミシンです。主にデニム生地等で作るショートパンツやレッグカバーのステッチ(表に見えている縫い目)などに使用しています。工業用なのでパワーがあり、家庭用ミシンでは縫えない生地の折り重なった分厚い箇所なども縫うことができます。
★ジーンズなどのポケットの取り付けや裾上げの際の生地が二重・三重に重なった部分は石のように固いので、このミシンが必要なのです。
工業用 オーバーロックミシン
:針の横についている刃で生地端を切り落としながら、二本の針と四本の糸でかがり縫いをするミシンです。主に、スウェットなどのニット素材の服のパーツ同士の接合(縫製)に使用します。
★直線縫いではニット素材の伸縮性を無くしてしまうため、必ずこのかがり縫いができるオーバーロックミシンが必要なのです!
工業用 偏平(へんぺい)縫いミシン
:これはあまり家庭用ミシンにはない、ニット素材などに飾りステッチなどをほどこすミシンです。横並びの三本の針に、三本の上糸、そして一本の下糸、そこにさらにそれら三本の上糸の間をジグザグに飾る、伸縮性のあるウーリー糸というものが複雑に絡み合い、ニット素材の伸縮性を保ったままステッチ(表に見える縫い目)を縫うことができます。
★五本も糸があるため、糸通しがとても大変!
工業用 二重環縫いミシン
:これもあまり家庭用には見られない、一本の針と二本の糸でチェーン縫い(チェーンのような形状で伸縮性がある縫い目)ができるミシンです。これは、デニム等の布帛(ふはく)生地(伸縮性のない生地)でボトムスなどを作る際の、ベルト部分(腰周りの構造)を縫う際に使用しています。
このチェーン縫いによって、ウエストなどの力のかかる箇所の縫い目に多少の伸縮性と強度が得られます。
★糸調子(生地の厚みに対する糸の締め具合)の調節が難しく、失敗すると、一見縫えていても一ヵ所のほつれからパララララ―ッと一気に全部ほどけて水の泡になるという恐ろしさがあります。
工業用 すくい縫いミシン
:これも珍しい!
コートやブレザーなどのフォーマル着等の裏地付けや裾上げの際にすくい縫い(表に貫通しない縫い目)ができるミシンです。主にコート×レッグカバーセットアップを作る際に使用しています。
★コート等の裏地付きの衣服縫製には、全てを裏返しの袋の状態で組み立ててきた末、最後に袖に開けたわずかな穴から全体を表に引っ張り出す、その名も「大どんでん返し」という驚きの工程があり、私もこのミシンと共に悪戦苦闘しておりました。
工業用 カン止めミシン
:これまた珍しい特殊ミシンです。しかしボトムス等の縫製にはかかせない役割を担うミシン。これは電源を入れると、まるでバイクのエンジンの排気音のような大きな音がこだまし続けます。ではそんなおどろおどろしいこのミシンがどんな縫い目を作り出すかと言うと、なんと約3ミリ~5ミリほどの長方形の刺繍のような「カン止め」という小さな縫い目!!それだけです!しかしそれだけの為にこれだけ大掛かりなミシンが必要なのです。なぜならその「カン止め」は、ボトムスのポケット口やベルトループなどを取り付ける際に、その強度が必要でなおかつ生地が重なりとても分厚く固くなった箇所をしっかりと縫い留めるための縫い目であるため、それ専用のミシンとしてこのカン止めミシンがあるのだと思われます。
工業用 鳩目穴かがりミシン
:これは衣服のボタン穴を縫うための特殊ミシンです。これも上記のカン止めミシンに勝るとも劣らないまがまがしい代物ですが、専用インナーのボタンにボタンホールで留める構造のDKMCレッグカバー製造においては、なくてはならない存在なのです!!鳩目(はとめ)穴というボタンホールは、通常のシャツ穴のような長方形ではなく、ジーンズなどに使われる鍵穴のような形をしたボタンホールの名称だそうです!このミシンは大きな抑えで生地をしっかりと固定し、一気にその鳩目穴を縫い上げると、最後にガッチャン!とカッターが振り下ろされ、自動的にボタンホールが出来上がります。★その作動中の音と動きはそれは恐ろしく、いつも使用時には細心の注意を払って取り掛かっております。
芯貼り機(接着芯プレス機)
:これは、コートやジャケットなどを縫製する際に大活躍する機械です。コートなどのハリを持たせたい素材の代物は、その生地にさらに接着芯(せっちゃくしん)というのりが付いた薄いガーゼのような生地を熱と圧力により接着させ、厚みを持たせるという加工が必要となります。その工程を、面積の小さなアイロンでやっていては時間的にも品質的にも大変…!そこでこちらは、大面積・高圧力で早く確実に芯を接着させてくれる、無くてはならない存在なのです!★高温を加えるため、安全の為かプレスタイマーの終了を教えてくれるブザーの音がそれはもうけたたましく、絶対にそれを鳴らさすまいと、そのタイマーよりも一秒先にプレスを解除するのがコツです。
業務用 滴下式アイロン
:とても重たく・熱く・力強い業務用のスチームアイロンです。滴下式(てきかしき)と言い、本体から伸びたホースの先に水を入れるタンクがあり、高いところに吊るしたタンクからタラタラと水が供給され、長時間スチームを出すことができることにより、作業効率があがります。このアイロンがけという工程は、実は製品ができた仕上げの時だけではなく、縫製中も何度も縫い目をつぶし(たおし)たりする時に必要となる重要役者なのです。★冬場は冷えてくる手先を温めるのにも有効…(※全体が高温になる為絶対に持ち手以外に触れてはいけません。手をかざすだけ!)